発音/準備コース(水)第6回目

発音/準備コース

なぜ小学校では英語の文法を教えないのか?

学びラボ4U館林校です!

本日の発音/準備コースのレッスンでは「英会話」を取り入れました。

これは、スキットを練習して、ロールプレイを行うものとは異なり、基本となるフレーズを学んだ後に知っている表現を駆使し、相手と意思疎通を図る練習になります。

本コースのメインは発音であり、文法的な解説はほとんど行わないません。

今回の「英会話」もフレーズを覚えてもらって行いました。

「文法的なことは分からなくてもいいので、とりあえず覚えて使ってみましょう!」

こんな感じでスタートをしたのですが、実は第二言語習得理論上では、大人が英語を学ぶ際は理論(文法)を知ってから練習に取り組んだ方が効率よく英語が学べるということが分かっています。

ではなぜ本コースでは文法を説明しないままにフレーズのみで英会話の練習をしているのか。

それは、「体験知」を身につけてから発音/準備コースの次の文法の説明を含む入門コースへ進んでもらうためです。

現在の「学び」の理論の主流はピアジェのConstructivism (構成主義)という考え方に基づいています。

シンプルに言えば、「学びとは、すでに持っている経験や知識のフレームワークの中に組み込まれながら理解されていく過程のことである」ということです。

Constructivism を漫画で解説してくれるサイトがあったのでもし興味があればご覧ください。

発音/準備コースで文法が分からない状態でも英会話を行うのは、

文法を学ぶ際の「体験」をしてもらうためです。

この文法はあの時に使ったあのフレーズか!

というような形で、自分の中の経験と新しい文法が結びつくようにするための基盤作りです。

小学校で文法に深く触れずに、基本的なフレーズのみでコミュニケーションを重視するのには、文法の説明を含む中学校の英語の授業との接続を考えてのことなのです。

中学校の教科書では、生徒たちが新しく学ぼうとしている文法を小学校での経験とうまく結びつけられるような誘導がなされています。

何より、話した方が楽しいもんね。

また、この受講生さんが書いてくださったように、トピック選びも重要です。

コミュニケーションがおもしろいものになるためには、インフォメーションギャップが必要です。

これは、「情報差」のことで、相手が知っていて自分が知らないことがあったり、自分が知っていて相手が知らないことがあるからコミュニケーションの必然性が発生するという考え方です。

だから、たとえば

「How is the wether? (今日の天気は?)」→外を見れば分かる

「What date is it today? (今日は何日?)」→カレンダーを見れば分かる

などのやり取りはNG。

こういう練習がある程度効果的なのは、フレーズに慣れ親しむことを目的とした小学生くらいまでだと思います。

逆に「好きなこと」を話すことなんかは非常に楽しいですよね。

トピック選びにもちゃんと理由があり、こだわっています!

へへへ。

話すのが楽しいと思えたら、英語の学びは加速する

「効率のよい勉強方法はありますか?」と聞かれることがよくありますが、

技術的なことでなくてもいいのであれば、唯一解が存在します。

それは、「もっと学びたいと思うこと」です。

「いや、そういうことじゃなくて…」という声が聞こえてきそうですが、

これは冗談ではなく、本当に大切なことだと信じています。

上でも書いた通り、学びが「自発的な活動」である以上は、

自分の「学びたい」という気持ち以上に学びを加速させるものはないからです。

どんなに優れた学習方法を選択したとしても、本人にその気がなければ、学びは発生しにくく、効率は悪くなるでしょう。

そして、「もっと学びたい」という気持ちを後押ししてくれる要因の一つが、「楽しい」という感情です。

子どもだろうが、大人だろうが、「できることが増えていく」という感覚は最高に嬉しいものです。

「英語で話ができた!」

「自分の好きなことが伝えられた!」

こういった経験が、次の学びを生み出します。

できることを一つ一つ増やしていこう

この感想を読んだとき、めちゃくちゃ素晴らしいなあと思ったことがあります。

それは、「どんなフレーズを学んだか」という知識ではなく、

「どんなことができるようになったか」というスキルに着目している点です。

「知識を増やす」という点において、私たちはAIに勝つことはできません。

ところが、「できることを増やす」という点においては、人間の方がはるかに優れています

そして、英語学習の目的は、知識ではなくスキルを増やしていくことではないかと思います。

(学者や講師でない限りは)

この考え方は、少しずつ教育現場にも広がっており、Can-doリストなるものが今では当たり前に存在します。

これは、どんなことを学んで、どんなことができるようになっているのかを明確に記した表のことです。

知識をインストールするだけの英語学習は、ひどくつまらないですよね。

楽しみながら学習し、できることを増やしていくのが英語です!

Aは「あ」じゃないし、Oは「お」じゃない!?

とは言え、こちとら発音/準備コースですから、しっかりと発音をメインで学びました!

今回から母音の学習に入りました。

今回のメインは、私たち日本人が誤解しやすい英語の母音の発音であるAとOについて学びました。

ローマ字では「A」は「あ」だし、「O」は「お」です。

ところが、単語の中に現れてくるAの発音には「æ(エァ)」と発音するものがかなりの数存在します。

ant  hand  hat  bag

camp  gas   math

したがって、たとえばhand なんかは、あ行の「は」から始めるよりも、え行の「へ」からアプローチしていった方が綺麗に聞こえるんですね。

なるべくカタカナ表記はしたくないのですが、分かりやすく伝えるとしたら、

「ハンド」じゃなくて「へァンド」みたいな感じです。

また、Oの発音は「ɑ(ア)」と発音されるものが非常に多く存在します。

stop  hot  rock  comic 

body  soccer  box

したがって、hot はお行の「ほ」から始めるよりも、あ行の「は」からアプローチし、

「ホット」ではなく「ハット」と発音すると綺麗です。

そしてhatという単語は「ハット」じゃなくて「へァット」だということです。

このように、AやOに関わる音はローマ字の影響を受けて本来の発音とは異なる理解をしてしまう傾向にあります。

こういった細かいところを一つ一つ修正していくことで、ちょっとずつ発音は美しくなっていきます。

実際に、初めて2ヶ月も経たないのですが、受講生さんの皆さんの発音は見違えるように綺麗になっています!

発音が綺麗になると、話すのが楽しくなります

これからも、楽しみながら英語の達人を目指しましょう!!

ではまた!

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