思考力を奪う丸暗記学習の弊害

学びラボ4U館林校です!

突然ですが、「勉強すること=暗記」だと思っていませんか?

従来の教育では上記のような考え方が主流で、

そして暗記さえすれば学力の結果が保証されていた時代もありました。

ところが、この「学び」に対する価値観が今では大きく変わってきています。

以前として暗記が果たす部分は大きいのですが、それは「学び」の前提部分として

今ではその先の「応用」に目が向けられるようになってきています。

本日は21世紀型学力の中にも規定され、現代を生き抜く力としても必須と言われている

論理的思考能力について英語学習と絡めてまとめていきたいと思います。

学びの質を向上させる論理的思考能力

論理的思考能力とは一体何のことでしょうか?

これは、「筋道を立てて思考する力」を指します。

「筋道を立てる」というのはAということとBということを、

言語のルールに沿って結びつける作業のことです。

例えば、「風がふけば桶屋が儲かる」という諺があります。

英語だとButterfly Effect と言ったりします。

さてここで質問です。

「風が吹く」だから「桶屋が儲かる」

原因と結果という関係を表す「だから」という接続詞で繋がったこの諺、

あなたは納得できますか?

この諺が表す意味は

「あることが起きると、一見関係がないようなところに影響が出ること」

です。

つまり、「風が吹くこと」と「桶屋が儲かること」の間には

一見関係がないように見えるけど実は関係しているよ、ということを表しています。

 

これを「筋道立てて」説明していくとすればこうなります。

 

風が吹く→砂埃が舞う(道路の舗装などはされていなかった時代)

砂埃が舞う→目に入って盲目の人が増える(医療面、衛生面の未発達)

盲目の人が増える→三味線を弾く人が増える(盲目の人の生計を立てる代表的な職業)

三味線を弾く人が増える→三味線の需要が増える

三味線の需要が増える→猫が減る(三味線の皮に猫の皮が使われていたため)

猫が減る→ネズミが増える

ネズミが増える→ネズミに齧られる桶が増える

ネズミに齧られる桶が増える→桶屋が儲かる

ツッコミどころはあるにせよ、これであれば「風が吹けば桶屋が儲かる」という論理に比べて

「筋道立った」説明、

言い換えれば「多くの人が納得できる」説明に近づいたのではないかと思います。

暗記型の学びというのは「風が吹けば桶屋が儲かる」という部分だけを切り取り、

「そうか、じゃあ覚えてやろう」と丸ごと暗記することです。

今後必要になってくる学びというのはこれとは全く異なります。

①「なぜ風が吹けば桶屋が儲かるのか」と疑問を持つ学びに向かう姿勢

②「なぜ風が吹けば桶屋に儲かるのか」を追求できる論理的思考能力

③「本当に風が吹くと桶屋が儲かるのか」を検証できる批判的思考能力

現に2021年度からセンター試験より名称が変更された

「大学入試共通テスト」では試験問題にこれらの能力を問う問題の出題が増えているそうです。

英語も、「単語と文法を暗記するだけの教科」ではなくなりました。

覚えた単語と文法を使って何ができるのか。

やはり、英語を学ぶ際には、「英語を使えること」を意識していくことが大切です。

英語学習と論理的思考能力

英語を学ぶ上で、とはいえ「単語と文法の暗記」は必要です。

ただし、その際には「英語を使えること」を意識した暗記が必要です。

それは、今までの学びに結びつけて単語と文法を暗記していくことです。

例えば 「too to 構文」というものがあります。

これは意味としては「あまりにも〜で、・・・できない」という意味になります。

これをそのまま丸暗記するのではなく、

too という形容詞の程度を強調する副詞と、不定詞の副詞的用法が使われている点に着目し、

「〜すぎる、・・・するためには」と解釈していくといいわけです。

これが結果として「あまりにも〜で、・・・できない」という

自然な日本語になっているわけですが、

これは「too to 構文はあまりにも〜で・・・できないという意味である」というのは

「風が吹けば桶屋が儲かる」と言っているのと同じくらい飛躍があります。

この繋がりを細かに追っていくことが、最終的な英語力を底上げすることになります。

この「結びつけ」という習慣を持てると、意外な発見がたくさんあって、

英語学習がより楽しくなっていきます。

暗記型の学習をしている人は、ぜひその先のより豊かな学力を目指して、

そして何より英語を話せることの楽しさを味わうためにも、

語源や成り立ち、認知文法などにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

ではまた!