英語を「聞く」にもコツがある
こんにちは!
学びラボ館林校です。
今回のレッスンでは、長文読解の中で見えた受講生さんの「理解」を大きく阻害しているであろう「後置修飾」の捉え方について話をしたので、共有したいと思います。
実は、英文を「読む」と言う活動と「聴く」と言う活動は深くリンクしています。
どちらも「情報を理解する」と言う活動が共通しています。
その情報が文字ベースか、音声ベースかの違いしかなく、脳内の情報処理のプロセスは非常に似通っているとされています。
つまり、私たちは英文を読んでいる方法とほぼ同じ手順で英文を聴いているわけです。
普段、英文読解に何気なく取り組んでいたとして、実はその「取り組み方」がリスニングの際に大きな影響を与えているとしたらどうでしょうか。
そしてもし、その「読み方」が「英語を聴き取り、理解する力」に大きな弊害を与えているとしたら?
今回は、リスニング力アップにも繋がる、「正しい英文の読み方」について「後置修飾」に焦点を当てながら書いていこうと思います!
「返り読み」の弊害
「英語が長くなると何を言っているか途端に分からなくなる」
「英文を読むのにすごく時間がかかってしまう」
こういう症状に悩んでいる方の多くは「返り読み」をしてしまう傾向にあります。
返り読みとは、英文を理解する際に後ろから前に返りながら理解する手順のことです。
I have a brother who lives in Tokyo.
この英文を理解するときに、
I (私は)who lives in Tokyo(東京に住んでいる)a brother (弟を)have(持っている)
と英文の順番を組み替えて正しい日本語に直そうとすると、日本語と英語の語順の違いから、英文の後ろ側から前に戻るようなプロセスが生まれてしまいます。
一度前から読んだものを、後ろまで到達した後に戻りながら理解しようとする訳ですから、単純計算で理解にかかるスピードは二倍かかります。
時間をかけても最終的に理解できる「読む活動」ならまだいいですが、それができない「聴く活動」ではどんなことが起こるでしょうか?
「途中から何言っているかさっぱり分からなくなった…」
という現象が起こります。
これが返り読みの弊害です。
この理解の手順が習慣化されてしまうと、リスニングの際に情報を組み替えようとしている間に次の英文が流れてきてしまって、聞き逃してしまう、なんてことが起こるわけです。
そこで、「英語は前から順番に、英語を理解していく」という、よく考えれば当たり前の考え方を取り入れる必要があります。
後置修飾の難しさ
この「英語は前から順番に理解していこう」という詳しい方法については、また別の機会に詳述したいと思います。
今回は、前から順番に理解をしていく際に最もネックになる「後置修飾」について書いていきます。
日本語では、あるものを説明するときにはひたすら前から説明します。
例えば「りんご」を説明するときには、
「私が昨日買ってきた、青森県で採れた新鮮で高価な…」→「りんご」
となります。
ところが英語ではそうはいきません。
英語はあるものを説明するときには、前からも後ろからも説明する言語です。
「新鮮で」「高価な」は前から説明します。
fresh and expensive → apple
「私が昨日買ってきた」「青森県で採れた」は後ろから説明します。
apple → from Aomori that I bought yesterday
合わせるとこうなります。
fresh and expensive → apple → from Aomori that I bought yesterday
前から説明されている部分に関しては、日本語と同じ仕組みなので理解にそこまで苦労はしないのですが、後ろから説明が起こると途端に難しくなるわけです。
そもそも日本語にはない説明のスタイルなので。
この後ろから説明する方法を「後置修飾」と呼びます。
「正しい日本語」のこだわりを捨てる
「そもそも後ろから説明が英語で起こっているんだから、それを前から説明するなんて無理じゃない?」
そうでしょうか?
ネイティブの頭の中では常に情報の順番の組み替えが起きているのでしょうか?
だとしたらそれはあまりにも非効率ではないでしょうか?
情報は流れてくる順番に理解するのが合理的です。
上の例文を、返り読みをしないで前から順番に理解するためにはどうすればいいのでしょうか。
ズバリ、「塊(チャンク)ごとに区切って、説明を付け足しながら理解する」というのが必要になってきます。
I ate the fresh and expensive apple from Aomori that I bought yesterday.
これをチャンクに区切ると、
I ate / the fresh and expensive apple / from Aomori / that I bought yesterday.
そしてこれを前から説明を付け足すように理解すると、
「私は食べた / 新鮮で高価なりんごを / 青森のやつね / んでそれは昨日私が買ったやつなんだけど」
このようになります。
これが「英語の理解」の方法です。
「情報が付け足されていく」という感覚を身につけることができれば、リスニングで流れてくる情報が多くなってもしっかりと理解することができるようになります。
もちろん、「理解」の段階では「正しい日本語」ではなく、不自然な日本語になりますが、この「不自然な日本語」の状態で英文を理解できるようになることがまず第一のステップになります。
まとめ
ということで今日は「後置修飾」が起きた時の理解の仕方について説明しました。
後置修飾にはいくつかの種類があります。
前置詞を使ったもの、不定詞を使ったもの、現在分詞、過去分詞を使ったもの、関係代名詞を使ったものなど、いろいろなものがあります。
その一つ一つについては今後それぞれ説明する記事を書こうと思います。
今日のところは、「後ろからの説明が起きても、返りながら読むのではなく、前から理解していけるように読む習慣をつける」というのがこの記事のポイントになります。
リスニングでもしっかりと聴き取ることができ、ひいては話す力にもしっかりとつながってくる、大切なポイントだと思います。
この大切な力を受講生にしっかりと育めるように今後も精進していきます!
それではまた!
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